
あまり神事に詳しくない私は、「大麻」と言ったら“大麻取締法 ”で規制されているあの薬物の「大麻」を想像してしまい、確認しに出掛けて見ることにしました


結果ですが、「大麻(たいま)」とは正式には「神宮大麻(じんぐうたいま)」と呼ばれ、伊勢神宮の「お神札(おふだ)」のことでした


なぜ、「大麻(たいま)」と呼ばれるかと言うと、神社で使われるお祓(はら)い用の神具を「大麻(おおぬさ)」と言いますが、そこから、厳重なお祓いをへて授けられるお神札を「大麻(たいま)」と呼ぶようになったそうです


また、この「神宮大麻」は、皇祖神(こうそしん)であり日本人の大御祖神(おおみおやがみ)・総氏神さまである天照大御神(あまてらすおおみかみ)様の「お神札」ですので、神棚の真ん中にお祀りするものであるとのこと。
ちなみに、名前の由来となっている「麻」に関してですが、中央アジア原産とされるアサ科アサ属で一年生の草本で、大麻(たいま)または大麻草(たいまそう)とも呼ばれます。
日本では、戦国時代に木綿の栽培が全国に広まるまでは、高級品の絹を除けば、麻が主要な繊維原料であり、糸・縄・網・布・衣服などに一般に広く使われていましたし、木綿の普及後も、麻繊維の強度が重宝されて、特定の製品には第二次世界大戦後まで盛んに使用されていました。
また、麻の茎は工芸品に使われ、種子は食料にもなっていました。
神道では“神聖な植物”として扱われ、日本の皇室にも麻の糸・麻の布として納められています。このことが、伊勢神宮の神札を「大麻」と呼ぶ由来となっている訳です

いわゆる“麻薬”としての大麻が取り締まりの対象となったのは、意外に新しく戦後の事だったようで、それまでは一般の農家でも当たり前のように繊維としての麻を栽培していました

もっとも、麻薬としての成分は日本の麻には少なく、育て方もまっすぐ長く、麻薬として使う葉の部分などは、なるべく少なくなるように育てるそうです。
この植物のなかでも、麻薬成分を多く含む品種の葉及び花冠を乾燥または樹脂化、液体化させたものを特に大麻(マリファナ)と呼ぶことがあるとのこと。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B5)
さて、この「神宮大麻」ですが、江戸時代には全世帯の約9割が受けていたという記録もあります

現代では神棚のない家庭が増えていますが、家庭で手を併せること、感謝の気持ちを表すことも、大切なのかもしれませんね


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