
スポーツ報知の記者が、15日夜、インタビューに応じた榎木さんに、今回の思い切った行動を起こすきっかけや、体に及ぼしたさまざまな変化を聞いたそうです。
(http://www.hochi.co.jp/entertainment/20150617-OHT1T50055.html)
榎木さんは修行僧のような姿ではなく、痩せているものの元気で顔色も肌つやもいい。
「絶食、断食ではない。食べなくても生きられることを自分の体で科学的に調べてみたかった。不思議ですが一度も空腹感はない。心地良い満腹感に満たされているような。苦痛を探してもないんです」
この期間中、万が一に備え、専門家の指導を仰ぎ、都内の研究室に泊まり込み、ここから仕事へ。摂取は水のみ。血糖値や塩分対策で数度あめ玉を補給しただけという。
採血、検尿、心電図を毎日検査しているが異常はなく、9キロ減った体重はいま71キロをキープしている。
飽食の時代。04年ごろから「不食」本が注目され始めましたが、榎木さんは20代からインドを中心に一人旅を続け、飲まず食わずで帰国後、いつも体調が良くなっていることに着目。短期間の「不食」を何度も経験してきたそうです。
「食べないと死ぬ、という恐怖感が良くない」。スケジュールを調整し、1か月間の実験を敢行。さまざまな変化が起きたそうです。
「集中力が増し、本を読むスピードが格段に速くなった。睡眠も深くなり、4時間眠ればすっきり。腰痛も消えた。理由はまだ分からない。でも、眠っていた自浄作用が一斉に目覚めた感覚。運動時も胸式呼吸が腹式に。スタミナが増しました」
榎木さんは、この経験はあくまで個人の体験に基づくもので研究の第一歩だと強調。「これを強制するものではないし、私自身、食文化を否定しません」。
無事に「不食」を成功させると、2日後にはテレビの“食レポ”の仕事が待っている。
榎木さんといえば、武蔵野美術大学出身で絵画に造詣が深く、北海道美瑛町・大分県九重町・鹿児島市にアートギャラリーを持ち、画集を出版する程ですし、幼少時より習った、古武術の薩摩示現流(じげんりゅう)は玄人の域という、ちょっと変わった経歴を持つ俳優さんです。
さらには、榎木さんは芸能界きっての超能力者としても有名な不思議系俳優であり、過去に「オーラの泉」というテレビ番組に出演していた時も「天気くらいだったら、僕、変えられますけれど…」や「僕は、食べなければ何日食べなくてもいいです」などなど、いわゆる発言内容は完全に“常人の域”を超えています

オーラの泉(2008/04/19 榎木孝明)
また榎木さんは、facebookの投稿では次のようにも述べられており、今回のこの試みが興味本位の発想から出たものではなく、かなり深い意図を持って行われたことが分かります。
【少々変わり者であることの自覚はしていますが、有言実行は昔からの心情です。若い頃からのアジアの国々への一人旅、映画「半次郎」の制作、そして今回の「不食」等。“言うは易し、行うは難し”ですが言ったからには実行を伴わないと許せない性格は昔から変わりません。】
【賛否両論は初めからの覚悟の上で始めたことですから、真摯な気持ちで「不食」に取り組み受け止めようと思って来ました。
どうしても大きな表現になってしまいますが、人類が滅びない為の唯一の方法が、一人一人がエゴを捨てる事だと思います。そして自分が世の為、人の為、地球の為に何が出来るかを考えられた時、新たな未来が拓けるのだと思います。
「不食」とは、いわば意識を拡大する為の一つの方便です。これからも新たな常識を創り出す覚悟です。】
(http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/18/takaaki-enoki_n_7609298.html)
そんな、不思議系人間の榎木さんですが、今回のこの「30日間の不食」の取り組みに関して、四柱推命的にはどのような背景があったのかと気に掛かり、早速、生年月日を調べてみました。
下図が、その命式となります(生時不明)。

一つ目の特徴としては、日柱天干が「辛(かのと)」となりますが、これは陰の金で“砂金や宝石・貴金属”に譬えられます

この日干は女性の場合、は宝飾関係が似合う方が多いようです。
辛抱の「辛」の字でもありますので、辛抱強く粘り強く人生を歩んでいる人も多くあります。しかし、少々神経質な面もあります。
周囲の影響を受けず、地道に我が道を歩む日干です。なかなかの耐久力を持ちます。
また、顔に余り喜怒哀楽の感情を表しませんので、何を考え・感じているのか周囲には分かり難い面があるようです。
二つ目の特徴としては、日柱干支が「辛未(かのとひつじ)」となり、これは別名“路傍土(ろぼうど)”と言われています。
この干支は、人生に無駄やむらが多く運命的に活気がなく発展がうすいと言われています

特に印星太過の場合、なかなか結婚もしないし、決断も出来ず時を失しやすいので、チャンスや運を逃してしまうこととなります。
せっかく運気が良くなろうとする時でも眺めているだけでチャンスを逃してしまいやすく、凶運の時もそれを避けて行く事をしないで、ただ真っ直ぐに歩いて、ひどい目に会ったりと、わびしく人生を終わりやすい干支です。
この“路傍土”の人は、積極的な生き方に変えて行くようにしないといけません

また、日支が「衰」となりますから、内向的な傾向性があり、消極的で大きな事を嫌うものです。
あまり目立たず、迫力はありませんが、周囲に適応できる順応性は持っていますので、比較的愛される性格です。性格は淡泊で温和で、保守的な傾向があります。
職業はどちらかというと、学者、医師、技術方面に向いています。
女性には一番良いと言われていて、控えめで優しさがあり、主婦に向く性向があります。
幼少の頃は、独りで絵を書くのが好きで、目立たないおとなしい性格の泣き虫だったという榎木さんですが、そんな息子の軟弱さを許せなかった父親から厳しく鍛えられたということです。
そのひとつとして習った薩摩示現流という古武術は、玄人の域に達する程で、榎木さんの場合、これがかなり効を奏したと言えそうです

三つ目の特徴としては、月上天干星が「印綬」、十二運が「長生」となっていることです。
「印綬」は“学問・芸能”を司り頭脳労働的な星で、才能で生きて行く人が多い星です。この星には古典芸能という意味もあり、伝統芸能的な職業に従事する人も多くいます。文芸ばかりでなく、相撲等もこの部類に入ります。
また、「印綬」は、こつこつと努力する星でもあり、人からの援助引き立てもあり、良き理解者に恵まれる吉星です。礼節を重んじ端正で上品な星でもあり人の信望が得られます

「印綬」は歳を取る程よく働いてくる星ですが、口うるさくなるのが欠点なので、“話し上手より聞き上手”になる事を心がけることが大切です。
地支が旺相(長生・冠帯・建禄)していれば母の恩恵を受けて育ちます。
榎木さんの場合、かなり母親の恩恵が大きかったことが、伺えます

月上に「印綬」がある場合、これは本来女性の星なので、女性にあれば良いけれども、男性の場合は迫力に欠け、官星や比肩星が弱ければ迷いの多い人生となってしまいます。
また、十二運の「長生」は、人の一生から見た場合には“子供が成長し背丈も伸びてくる”時期を表し、基本的な意味として“温和発展・長者の風”等があり、吉運・旺相運を表します。
若い時期、多少苦労があっても、中年以降、運気は大きく発展します。兄弟姉妹の関係も良く、強い結びつきです。
また、この「印綬」は「富貴学堂(ふうきがくどう)」ともなり、妨害する星がなければ、聡明で学業に秀で、世に出られる星で、かなりの吉星と言えるでしょう

四つ目の特徴としては、年上天干星が「偏財」となっていることです。
偏財は“流動の財”を意味します。また、“優しさと家庭性”を表す星でもあります。
この星があると“理財と商才”の意味を持ち、人気運もありますが、「比肩」・「敗財」・「劫財」の類と並ぶと財運を壊すために、良くありません。
また、「偏財」は父をも表しますので、地支の強さによっても父親の強弱を判断する事も出来ます。
榎木さんの場合、「衰」となっているせいか、20歳の時に父親を肺癌で亡くされています

女性には良い星で家庭的な人が多く内助の功を表す良き妻となりますが、「比肩」・「敗財」・「劫財」の類と並ぶと家庭運・財運とも凶となってしまいます。
人情的な優しさを持つ星ですが、男性がこの星を持つと、「偏財」には“妾(めかけ)”という意味があるので色情の過ちに注意が必要です。
以上のように、三柱で看てみた場合、非常に女性的でおとなし目の命式であることから、芸能界であれだけ活躍できるには、時柱にもっと行動できる星が出ているものと思われます。
よって、推時を試みてみようと思います

例えば、時柱に「官星」が出ているとすれば「財官印三宝の命」となります

これは、四柱推命学では一番良い星の並びになりますね。
地位名誉、財産に恵まれ、親族の中でも出世頭になる人が多くいます。
この場合、生時は申刻(15〜17時)か酉刻(17〜19時)となります。
時柱に「傷官」が出れば「印綬傷官格」となります

感受性が強く、学問・芸能方面に非常に才能があります。
五行に比肩星が強い方がこの星は良く働いてくれますが、五行に比肩星が弱い場合には、精神的にすぐ参ってしまいやすく、精神病になる場合もあります。
子供の頃からスポーツ等で精神面を鍛えておく方が良いでしょう。
基本的に頭脳労働向きですが、スポーツマンなどでも活躍している人も多くいます。
この場合は、生時は辰刻(7〜9時)となります。
更にこの場合、命式的には“印星の三土”ともなり、かなり強い印星です。

上図は、榎木さんの大運表となりますが“逆行・10年運”となっています。
1984年、連続テレビ小説『ロマンス』でテレビデビューを果たし、以来舞台やテレビ、映画、ラジオ等あらゆる分野で活躍されるようになりましたが、大運「正官・冠帯」、流年「正財・長生」とまさに好運気でした

1995年から、フジテレビ系ドラマ『浅見光彦シリーズ』に主役の浅見光彦役として出演されましたが、大運「正財・帝旺」、流年「偏財・沐浴」とまずまずの運気。
1996年5月2日、女優の鈴木てるえさんと結婚されましたが、大運「正財・帝旺」、流年「正官・長生」とまさに結婚の運気と言えるでしょう。
1999年7月15日、榎木孝明さんに脅迫文書を送りつけていたとして、長野市の女性が脅迫容疑で逮捕されたという報道がなされましたが、大運「正財・帝旺」、流年「偏印・絶」となり、印星太過であまり良くありませんでした

2008/4/19、「オーラの泉」に出演されていますが、大運「食神・衰」、流年「印綬・長生」の運気となり、“精神性の探求”という「印綬傷官」的な傾向が出ています。
そして、今回の「30日間の不食」ですが、大運「傷官・病」、流年「偏財・衰」という運気でした。
ちょうど今年から、大運が「食神・衰」から「傷官・病」へ変わっており、より「印綬傷官」的な傾向が強まっている中、実行されたと言えるでしょう。
以上、簡単に榎木孝明さんの命式を看て見ましたが、生時が不明ではあるものの、大方、そのお人柄を説明できたのではないでしょうか?
実は、かく言う私も体調が何か不調になってきて、「このまま行ったら、やばいな」と感じた時には、よく2〜3日の断食(最近はファスティングと言うのがはやりのようですが…)をしていますので、断食の効果は実感しています

ただ、3日を超える断食というのはしたことがないので、「30日間の不食」というのは、本当にすごいですね。いずれ、私も挑戦してみたいと思います

ところで、3日を超える断食は、危険をともなう場合がありますので、必ず医師や指導者の管理の下、行うようご注意下さい

今回の榎木さんの不食の試みに関して、ネット空間等を見てみますと、「これのどこが"すがすがしい表情"なのか?」とか、「とても健康そうには見えない」とか、この試みを揶揄する人も多いようです

しかし、こういう批判的な人たちの大部分は、自身で実践した事なく批判している人たちであることは明らかです。
やはり、断食には、宿便等の毒だし効果や生命エネルギーを温存・強化する効果があるのは、私の実体験から言っても事実です

実際、野生動物は、自分の身体の不調を直す時、断食で直します。
食べると言う事は、思った以上にエネルギーを使うため、断食で内臓を休ませてあげることにより、健康を取り戻すと言う効果もあるのです。
西洋医学では一日三食食べることが健康の基本とされ、世間もその流れで来ていますが、現代ほど、肥満や慢性病が増加している時代はありません。
そろそろ、あなたも“健康のための不食”を、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
断食(ファスティング)に関して、以下の本が参考になると思います。
きっと、「自分も挑戦してみよう!」と思われるはずですよ

さらに突っ込んで言えば、江戸時代の観相家・水野南北は“飽食が運を悪くする”とまで、喝破していました

最後になりましたが、自身の体を通して、この“飽食の時代”に一石を投じられた榎木さんに敬意を表したいと思います


与えよ、さらば与えられん
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